私には、映画館に行きたいな、と思うとき、映画を観たいというより“映画館に行きたい”というときがあります。
同じように、コーヒーでも飲もうか、と思うとき、コーヒーが飲みたいというより“喫茶店に行きたい”というときがあるんです。
人には、人の数だけ落ち着くところがあって、みなそれぞれ“落ち着く”にお金を払っている部分がとても大きいと思います。そして、“落ち着く”っていうのは“安心”とも言い換えられるんじゃないかな。
従来人間は群れを成して行動する動物ですから、独りぼっちが一番落ち着くんだってことはないんだと思う、基本的には。
流行りの店というのもそういうことなんでしょうか。行列ができているお店があると、あ、人がたくさんいるからとりあえずここは安心だ。危ないところではなさそうだ。脳みそというか身体が反応するようなところがあるんだろうなと思うんです。ただただお店の前で並んでいるふりをする人に、お金を払うお店もあるんですもの。
流行りとか人気っていうのも“安心”の一つの形なんでしょう。そう考えるとちょっと面白い。人間はやっぱり動物なんだなあ、と思えて少し愛くるしく見えてきます(もちろん例にもれず私も愛くるしい人間のうちの一人です)。
生きるって“安心”を追い求める活動のことだったりするですよね。